2018年7月25日水曜日

GVIDOは使えるか(2/2)

では述べる。

1.PR記事より「ちなみに、楽譜を取り込む方法は3種類あります。ひとつはUSBでパソコンと直接つなげる方法。もうひとつは、前述のMy Libraryというクラウド上の管理画面に楽譜を追加して転送するやり方。あとは、マイクロSDカードから追加する方法です」

参考記事(既出):https://www.arban-mag.com/article/7959

まず有線(しかもmicroUSB)、SDカードは論外(その事に気づいていない時点で地雷)として、My Libraryとは何か。dropboxやGoogleDrive、boxには非対応なのか。そもそもOSのベースは何なのか。もしやサードパーティアプリが一切使えない仕様なのか。クラウド非対応でWEBリンクもメールも開けなければ現場で譜面をどうやって取り込むのか。

「オンライン上に、My Libraryという管理画面を持てるのですが、メンバーの方がアカウントをお持ちであれば、楽譜やセットリスト、書き込み内容を共有することができます」

絶句。。

2.内臓メモリ8GB (ROM)、SDカードは32GBまで。

pdfの譜面データであれば一応の用は足りそうだが、およそ18万円(税抜)の価格設定に見合ったスペックと仕様ではない。SDカードのデータ破損は珍しい事ではない。

3.ペン入力の仕様についての言及がない。

applePencilのような専用ペンでも、アプリによってはペンを握った指も認識されてしまう問題がある。その点を克服しているのか。

4.専用譜めくりペダル

巨大矢印キーにすぎない譜めくりペダルが自社製品のみ対応とすれば大いに問題があると言わざるを得ない。確認が取れていないだけだと思いたいが、とにかく外部機器やアプリとの連携を悉く拒んでいる印象がある。あと「bluetooth内臓」って何? バージョンくらい書きましょうよ。まさかver.2ではあるまいな。

5.価格設定

値段より「演奏家の苦労をいかに減らすか」にこだわったそうだが、プロにフィードバックを頼んだ形跡はどうも見受けられない。アフリカやインドなどの新興国向け激安androidと見分けがつかない技術仕様やwindows95な概念で、この強気なお値段設定には驚愕を禁じ得ないが、インタビューではむしろお手盛りなコメントが散見される(海外ではいいね、安いね、だそうである)。この傾向は大爆死という表現が当てはまるVaioPhoneを彷彿とさせる。

総論
カメラもなく、外部との連携が絶たれているのは致命的、というかもう死んでいるかも知れない(MyLibraryをクラウドとは呼べない)。

ストアも貧弱なまま発展は望めないと思われるので(偏見)、「ScanSnapix500」を持つアマ、のような限りなく少ない購買層が大枚はたいて買う、という規模のセールスとなるだろう。

Android6.0を擁するE-ink端末 Booxの動向を見守る方がまだ賢明かも知れない。










GVIDOは使えるか(1/2)

iPad pro (12.9インチ)で譜面を見るようになって久しい。

アプリはforScoreを使っている。

兎に角 管理が楽でありセッションミュージシャンにはうってつけである。

唯一の問題は見開き、即ち次のページを見る動作で、半めくり機能や横にしての2P表示も可能なのだが、半めくりは譜めくり頻度が倍になってしまう&視覚的に脳が混乱するのでかなり集中の妨げになるのと(慣れの問題かも知れないが)、2P表示は慣れている曲でない限り、やはり小さい。老眼ではお手上げのはずだ。

2台持ち&連動はシンプルかつ効果的な回答だが、様々な意味で現実的ではない。

そして強いて言えば譜面が光っているのはやはり落ち着きが悪い。

そんなわけで”二画面の大画面タブレット(楽譜以外に用途が思いつけない)で、目にもバッテリーにも優しいE-ink方式のもの”が開発されないかなあ、されねーよなあ。。

と思ったら開発されていたのだ。

その名もGVIDO (グイド)。

本体(DMS-W1) ¥180,000
・ディスプレイ:13.3型低反射フレキシブル電子ペーパー(150dpi、1600×1200pixel)
・重量:約660g
・外装:カーボンファイバー
・ペン入力(2画面):電磁誘導方式(株式会社ワコム)
・タッチスイッチ:赤外線タッチスイッチ
・内蔵メモリー容量:8GB
・インターフェース:microSDカード、マイクロUSB端子
・無線LAN:802.11a/b/g/n (2.4GHz/5GHz)
・Bluetooth内蔵
・バッテリー:3時間充電で3日間使用可(※1日、1分間ごとに100ページをめくった場合)、マイクロUSB端子充電
フットスイッチ(DMS-FS1) ¥30,000
牛革カバー(DMS-L1) ¥30,000
問い合わせ:GVIDOサポートセンター cs-jp@gvidojapan.com
https://www.gvido.tokyo/ja/

"なお、テラダ・ミュージック・スコアとF55クリエイティブデザインスタジオの社長である野口不二夫氏は、ソニー出身で、Sony Readerなどをはじめとした電子書籍事業や、音楽配信「エニーミュージック」などを担当した人物。文教市場向けとして、2013年末から発売された13.3インチパネルを使ったデジタルペーパー「DPT-S1」の開発も指揮した経験を持つ。"

"GVIDOの生産は長野県安曇野市にあるVAIO社の本社工場で行われ、段差のないヒンジ構造は、同社の「VAIO Z フリップモデル」のディスプレイ構造に使われている技術が元になっている。また、ソフトウエア部分については、VAIOのソフト開発部隊が母体となって作られた、ソニー100%子会社のソフト開発企業、ソニー・デジタルネットワークアプリケーションズ社が担当している。"

参考記事:https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1002862.html


。。。

私は直感した。「これは使えない」と。

実物を見ても触ってもいない、レビュー記事とスペックからの偏見に満ちた視点ではあるが、問題と思われる点に触れていきたいと思う。それらの問題が解消すればおよそ20万円という寝ぼけた値段を出すことも伊藤舞。

(2/2に続く)