2019年7月30日火曜日

SONY SP500、SP700nレビュー

またbluetooth イヤホンを買ってしまった。かれこれ10機種以上は買っている。

その中で最近買ったタイトルの二機種を取り上げてみよう。

まず、bluetoothイヤホンのほとんどは密閉型である(シリコンゴムのイヤーピースを突っ込むやつ)。

これが歩行中はどうにもゴウゴウとうるさくて堪らないので、オープン型(昔のシャカシャカ音漏れで迷惑がられたやつの仲間。もう音漏れはそれほどしない)のものを探してみたのだが、AppleのAirPods以外、まあないこと。

特にAAC又はaptX(音質がよい)に対応しているものは全くといってよいほどない。

開放型は遮音性は低いものの、周囲の音は聞こえて歩行中でも安心だし(自動車の音など)、なんなら会話も返事くらいはできる。配達のピンポンだって聞こえるし、付け疲れも密閉型に比べ少ない。それなりに需要があってもよさそうなものだが、ない。

ほぼ唯一見つかったのがSP500である。


SP500-1
SP500-2
レビューも少なく、外れやすいという意見も半分くらいあったものの、AACプロファイルに対応しており、このややビミョーなデザインも割と気に入ったのに加え、完全ワイヤレスでない分値段もAirPodsに比べれば随分安い(7000円台だったと思う)。 

というわけで買ってみたが、半年程使っているがかなり気に入っている。 

上記のオープン型の利点を満たしつつ、音質もなかなかよいし、遅延も少ない。バッテリーの保ちもよい。

ちなみに通話は重視していないが、相手から聞こえにくいとほぼ確実に言われる。

星4つ(買う価値あり)

ちなみにAirPodsでよいのでは?という問いへの回答はアンドロイダーとして拒否する。


お次はSP700である。これはSP500を紛失したと勘違いして買った。

SP700n。そら豆のようなデザインがよい(佐山は白を所有)

完全ワイヤレス&ノイズキャンセリング機能&外音取り込み機能付きである。全部盛りですな。

にもかかわらずこちらはマイナス点の方が多い。

・遅延が致命的。映画はまず見れない。
・ノイズキャンセリングが弱い。
・イコライザー(アプリ操作)があるのに用意された数種類の設定しか選べない。
・バッテリー保ちが悪い(映画一本分でギリ)。充電ケースの方も貧弱。

とはいえ、これらはいずれも改善の余地があるものばかりである。

良い点としては
・片耳でも使える。これはなかなか重宝する。
・出し入れがしやすく、充電開始のLEDも見やすい。総じてデザインは優秀。

基本的な音質は悪くはない(イコライザーが任意の設定にできれば解決すると思われる。アップデートでも可能だろう)。

片耳だと遅延はやや改善される(完全ワイヤレスの弱点と言われているらしい)が、片耳モードでも動画にはキツい。これはちょっと問題外。だがアプデでは難しくても将来的には改善可能だろう。

というか、後発のSP900では既に改善されたと謳われている。だが、今度は4GBメモリでヲークマンとして使えて防水仕様に、その代わりノイズキャンセリング機能はなくした、という「?」な仕様変更になってしまった。値段も高い。

この辺は21世紀ソニーの本当に謎なところである。企画部の上層部には強烈な文系馬鹿がいるとしか思えない。

というわけでSP700は星2.5(お勧めはしない)。ただしコンセプトは良いので後継機に期待。

ソニーは近年 電子ペーパーなど色々な方面で秀逸な製品を再び作れてきているので、シャープのような企業改革が行われれば(それには買収される以外になさそうだが)、再びの栄光も夢ではないのではないだろうか。

















2019年7月13日土曜日

実はSurfaceが好き

何を隠そう僕はマイクロソフト社製の2in1 PC、Surface proシリーズの大ファンである。

どれくらいファンかというと2012年にSurface Pro2を発売日に買った(第一世代で手を出さなかったところがミソ)くらいである。

まあ、結局それ以来買っていないのだが、特にpro3以降のハード面での完成度はMacよりもずっと高く評価している。

結局 楽譜を書く・編集する作業と、見る(弾く)作業を一つのディスプレーでこなす事に困難を覚えiPadとMac体制になってしまったが、それもSurfaceBookが両者を足した値段より高額だった事は大きい。

とはいえ未だに好きと完成度が両立している珍しいシリーズなので(出来は良いが嫌い、出来は悪いが好き、というものの方が多い。出来が良いから好き、というのは「勝っているから好き」みたいなものだろう?)、好きな点・評価している点と、悪い(もったいない)点を挙げてみようと思う。

好きな点・評価している点

1. 本当に全然うまくいかなかったが、一つのOSでPC、タブレット、スマホを全て動かすというアイデアがよかった。OS毎にアプリの設計で対処する方がずっと効率がよい事は最早ほぼ明白だが、なんというか夢があった。

2.ディスプレーの比率を3:2にした点は画期的だった(書類の見やすさといったら!)。

3.キーボードカバーというアイデア(iPadはそのパクりだ)とそのデザイン、特に選べるカラーリングとその品質は、それをBluetooth化するオプションパーツと合わせて、それまでの他者のキーボード付きの製品と比べて圧倒的にスマートだった。しかしオプションパーツの方が正式に発表してCMでもガンガン流しておいて、日本では永遠の近日入荷となり、本国米国でもすぐに発売中止になったのは致命的だった。極めて重要な要素だったのに。

4.pro3以降の無段階ヒンジ。キーボードカバーもそうだが、microsoftは実はかなり優秀なハードウェアメーカーでもある(どちらかというと世界制覇したwindowsOSの方が実はダメダメという)。

5.マグネット部。縦横二つあることでペンとキーボード双方が同時に装備できる。2018年まで明らかにiPadより優れていた。

6.SurafaceBookの連結機構は、フリップスタンドの「実は意外とスペースを要する」という問題を完全にクリアした。マシンパワーも申し分ない。しかし高すぎる。

7. 筐体の完成度故、企業が自社ソフトを動かす機械としては随一であり、今やしっかりと存在感を示している。microsoftはコンシューマー向け製品よりはオフィス関連にやはり一日の長があるということか。

総評:ハードウェア面での完成度と想像力は全盛期のAppleにも匹敵するが、ソフトウェア面の問題で素晴らしいアイデアといくつかのハードも実現できないか、未だできずにいる。

悪い点(もったいない点)

1.ナンバーワン。公式のバッテリー交換プログラムがない(公式以外は賭け)。SurfaceBookを特盛スペックにすれば頑張れば10年戦える。だがバッテリーはどうあがいても無理だ。それなのに。Appleに戻らざるを得なかった最大の要因の一つである。

2.電源管理システムがお粗末。今頃は幾分マシになっているのかも知れないが、スリープは通信、無線、狂気のソフトウェアアップデート、その他あらゆる要因で阻害され、翌日開いた時にはRunOutしている事は日常であった。Windowsという寄せ集めロボットシステムを統御できる日は来るのだろうか。

3.アプリストアのこれ以上ない貧弱さと、それらの不安定さ。結局「統合OS構想」が仇となり、アプリの開発のしようがなかったのだろうと推察する。WindowsPhoneと合わせて残念。NOKIA復活を希望にまた素晴らしい構想を練って欲しい。そしてそれはWindowsとしてではないのかも知れない。

4.OneDrive。今はどうか知らないが、書類を保存する際にネット環境がないと保存はおろか起動すらしてくれなかった。DropboxのようにPCバージョンは本体に保存される仕様にさえなっていればよいのだが。

総評:「統合OS」の構想は失敗に終わり、未だにMacOSとiOSを統合しないAppleの分析は正しかったと証明されたことになった。Windowsの最大の弱点はアプリ間の連携の悪さにあるが、Appleは逆にそれをしない事でうまくやってきている(不便さもある)。

総評の総評
Surface Pro 並びにSurface Bookは企業向けの端末としては最早ほとんど欠点がないと言えるのではないだろうか。バッテリー交換問題も恐らく新製品を大量に卸す関係でうまくやっているのだろう。

結局そういうスタイルがmicrosoftには合っているのだと思うのだけれど、スティーブ・ジョブズのApple退任〜死後に急速に台頭してきた当時のmicrosoft並びにSurfaceのデザイン、理念、アイデア、そしてNOKIAとのタッグの中に、僕はジョブズを彷彿とさせる「ビッグ・ピクチャー」を確かに見たと思う。今はAppleにもGoogleにもそうした「グランドデザイン」はないように思える(もともとWindowsが一番なかったんだけど)。あの「中の人」達が今どこでどんな構想を練っているか、早く知りたい。












2019年7月10日水曜日

iPad Pro問題

iPad Pro (12.9インチ,2017年モデル)を買って以来、コード譜は基本的にこれで見ている。

印刷コスト(インク代、紙代、コピー代)の削減量だけで既にもとが取れているのでは、と感じる程に使いまくりである。

特に清書前のなぐり書きの紙に関しては99%ゼロになったのは大きい。

最近 無印iPadがApple Pencilに対応した事で更に導入コストが下がったので、例えば芝居の台本(スタッフを入れれば大抵の場合10人以上、本番では見ない、改訂が頻繁に行われる)のようなものは2作品もやればコピー代だけでもとは取れてしまうのではないだろうか。

いわんや利便性(保管スペース削減、長期保存、書き込みの容易さ、各バージョンの保存)を加味すればこれはASAPで導入すべきだと思われる(ちなみに書く側の人間であればSurface Proを勧める)。

翻って問題は譜面とペンである。

譜面は楽器を弾きながら読むし、本番でも使う事があるし、またコード譜であれピアノの場合は随所に和音や二段譜も出てくるし、一曲通して弾き続ける場合が多いので、ディスプレーサイズは大型、ピアノの場合できればA3見開きが望ましい(そうすれば全編オタマジャクシの譜面も読める)。

つまりもう一台欲しいのだ。

また、書き込みの頻度や重要性が高いので、第一世代のペンの充電方式はどう好意的に考えようとしても支持できない。いい加減聞き飽きたセリフだが、あの間抜けで危険で嵩張るデザインと方式はジョブズならプレゼンの時点で開発者をクビにする気がする(キャップをなくさずにどうしていれよう)。


第二世代(現行モデル)の方式は当時難しかったとしても、キーボードを取り付ける(即ち電力の供給が可能な)マグネット式コネクタが実装されているのだから、急速充電を犠牲にしてもそちらに対応させるべきだったと思うが、マイクロソフトのSurfaceを意識してキーボードカバーAlwaysな使い方を推した故の犠牲なのかも知れない。

つまりもう一台(第二世代のペンに対応したものが)欲しいのだ。

が、第一の問題は現行モデル(本体)の価格の高さだ。最新のパソコンと比べても遜色のない処理速度はすごいが、PDFの譜面や書類を見て、書き込む用途で言えば完全にオーバースペックである。

第二世代のペンが旧モデルの本体にも対応してくれれば良いだけなのだが、それはそれで難しいのだろう。とはいえペンの為に15万円は出せない。

とはいえ、その現行モデルもあと数ヶ月で発売から一年が経過し、認定整備済み製品も出てくるだろうし、理想は折りたたみ型でA3サイズ前後にまでなるモデルだが、それにはまだ数年は要するだろうし出るアテもない(譜面以外で折りたたみA3の需要があるのだろうか)。つまり今が買い時だ、と思っていた矢先にこの噂が出てきた。

アップル、折りたたみiPad2020年発売か!?

これは看過できない。

できないが、折りたたみディスプレーが今後トレンドになり、Appleも追随を図っている事をほぼ間違いないが、高い期待を背負ったiPhone SE2が幻で終わった以上、確証はない。

ない上にA3サイズを出す予感はもっとない。

ないないない上に第一世代はプロトタイプだと捉えるべきなのでやはりあと2年は待つだろう。

だが2年なら2017年モデルの買い足しで耐えられるかも知れない。

というわけでやっぱり今は買え「ない」のである。