2014年1月26日日曜日

カフカのオスカー・ポラックへの手紙

「ぼくは、自分を咬んだり、刺したりするような本だけを読むべきではないかと思っている。

もし、ぼくらの読む本が、頭をガツンと一撃してぼくらを目覚めさせてくれないなら、


いったい何のためにぼくらは本を読むのか? 


きみが言うように、ぼくらを幸福にするためか? 


やれやれ、本なんかなくたってぼくらは同じように幸福でいられるだろうし、


ぼくらを幸福にするような本なら、必要とあれば自分で書けるだろう。


いいかい、必要な本とは、ぼくらをこのうえなく苦しめ痛めつける不幸のように、


自分よりも愛していた人の死のように、


すべての人から引き離されて森の中に追放されたときのように、


自殺のように、ぼくらに作用する本のことだ。


本とは、ぼくらの内の氷結した海を砕く斧でなければならない。」



(親友オスカー・ポラックへの手紙 1904年1月27日)


2014年1月20日月曜日

Amazonから離れられない

僕はよく買い物をする。

といっても買うのは調味料とかクリップとかUSBケーブルとか、

そういう細々したものだ(めっちゃ買う)。小さな物(小瓶とか)や

「なくてもなんとかなるけどあったら便利」みたいな物が好きなのだろう。

そういう人間になりたいのかも知れない。

しかし都心は細々した買い物をするにはなかなか面倒なところである。

新宿や渋谷でユニクロと無印良品とダイソーに行って、文房具屋を探して

(文房具屋を探すときに必ず東急ハンズとLoftを忘れるのは何故だろう)、

やってると結構な距離を歩く事になる。

昨年末に友人のライブを見に大宮に行ったが、都心を離れると

大きな駅なら大抵ドでかい駅ビルがあって、その中に上に挙げたような

お店なら大抵入っている。非常に短時間で複数の目的を達成する事ができた。

橋本の辺りも大好きだ。

国道沿いにはニトリやコストコやらがあって(大きなスーパーも大好きだ)、

駅前にはミスタードーナッツやてんやがあって。。

もしかしたら僕は郊外に住むべきなのだろうか。

とはいえ実際問題今は世田谷区に在住であり、細々した買い物や、

てんやの後にミスタードーナッツに行くのはなかなか手間がかかる。

というわけでAmazonをかなりの頻度で利用する。

大抵のものがあって(天丼はない、、と思う)配達は迅速で、

電子書籍もそこそこ充実しており(国内メーカーはもう勝手にしておれ)

人気商品であればどこよりも安い事が多い。

よしんば最安値より数百円高くてもワンクリックで翌日届く事で

トレードオフにしてしまう。思う壺である。

そしてCEOのジェフ・ベゾス氏にも注目している。

スティーブ・ジョブズが亡くなってから彼のインタビュー記事を

見かける機会が増えた気がする。

Amazonは一時期かなりの巨額赤字を出し、競合他社に埋もれようとしている

インターネットビジネスの失敗ケースとして話題になっていた。

それが今やあらゆる業種の人間が彼を恐れる程の影響力を持つ

会社とサービスになった。

Gigazineというサイトに程よいまとめ記事があるので張っておこう。

Amazonをロングテールモデルで成功に導いたジェフ・ベゾスCEOの名言20個

決してお友達になりたくない類の人間だが、考え方はかなり興味深い。

日経ビジネスオンラインの記事の続きが待ち遠しい今日この頃である。

曰く

高利益率ビジネスはうらやましい。しかし高利益率ビジネスからは日本人の言うカイゼン、効率化は生まれない。なぜならその必要がないからだ(※Amazonの利益率は売上高に関わらずいつも1%横ばい)。

や、

私はよく「5年後、10年後には何が変わっているだろうか?」と尋ねられる。しかし本当に重要な質問は「5年後、10年後にも何が変わっていないか?」だ。(中略)今から5年、10年経ってユーザーが私のところに来て「ジェフ、値段をもっと高くしてくれないか」ということは想像できない。「配達を遅くしてくれ、品揃えを少なくしてくれ」などということもあり得ない。

のような思わず「おお~」と言ってしまう発言がある。

ものすごく腰の据わった徹底的に長期目線の経営姿勢で、

倹約家であり、目的の為ならかなりえげつない事もやるし、つまらない

意見に対してはかなり辛辣な言葉を口にするらしい(この辺はジョブズとダブる)。

不気味なのは高利益体質を徹底して目指さないところである。

株主にそれが戦略である事を理解させ、信頼と自社投資資金の両方の獲得に

成功している。小売業の王ではなく、どうもインフラ事業のような

存在を目指しているように見える。不気味だ。

小売業、電子書籍販売、電子ハードウェア製造と、次にどの分野に

手を出すかわからず、圧倒的な体力を持つのであらゆる業種が彼を

恐れるというのも納得である。

AEONが地方商店街をシャッター街にしたような事が起こりえるのかも知れない。

租税回避もちゃんとしていて、あまり応援したくないような気持ちもするのだが

便利過ぎて当分は離れられそうにない。

でも五線紙はAmazonでもやっぱりあんまり安くないんだよな~。

五線紙使う人って少なくな、、くないかな、やっぱり(^_^;)





リストラとかコンサルとか

経営コンサルタントという職種がどうも好きになれない。

投資のセールスマンと一緒で、

「そんなに確実に儲かるなら何故 他人(ひと)に勧めるのだ?」

という気持ちになってしまう。

同じような理由で大規模リストラを敢行する企業にもあまり理解を示す気持ちにならない。

2012年のシャープの大規模リストラに際して、奥田(前)社長がした

「断腸の思いで膿を出す」という発言に対する

「お前が一番の膿ではないのか?」

という指摘に顕著なように、リストラをするならまずリストラをせざるを

得ない状況に会社の運営を誤った経営陣や役員の責任が

同時に追求されなければならないと思う

(奥田氏は同社の経営が傾いてからの就任なので氏の経営手腕は

業績不振の原因には当たらないかも知れないが)。

そもそも有能な人間は大抵別の会社でも有能なので、

よしんば自分がリストラの対象にならなくても その前に

移籍(って言うのか?)したり独立したりという選択が可能且つ

完了している可能性が低くないので、リストラとは決断というより

事後処理に近いのではないかと思う。

また、ある部品メーカーの社長が「M&Aのような重要な決断をコンサルタントに

任せるような会社/経営者はいけない」

という内容のインタビューがあったが、全くもって同感で、

要するに決断や責任を他に求めるような人や会社に将来性や

未来を見出す事は難しいという事である。

恐らく、創業者が現役の会社ではこういった事態は

それ程多くないと思う(倒産はするだろうが)。

創業者はスタートがそもそも決断であるからして、判断を誤る事はあっても

判断しない事で事態の悪化を招く事は少ないと思われる。

反対に、自分で判断しない人間(イエスマン)が目指すのは

自分が判断をする必要がない状態まで既に至った会社(=大企業)であり、

大抵は代替わりをしている。

昨今の日本の大企業の凋落と体たらくぶりは競争の激化ではなく、

創業や成長を成し遂げた代を当てにして入った彼らが役員・経営陣に

登りつめた結果であるように見える(企業30年説)。

無論彼らは命令を聞く分には有能なわけだが、体が頭になる事はできない。

とはいえ逆もまた然りなので、結局世の中バランスなのだ、という

いつもの結論に至るのである(爆)。